vol.36 2017年12月
国際社会学科2年 後藤 幾哉
カナダと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるのでしょうか? 広大な自然、おおらかな人柄、美味しい料理など、様々なものを思い浮かべるでしょう。私は平成29年9月4日から10月1日まで、カナダ西部に位置するブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアにある、ビクトリア大学“Monthly English Program” に参加しました。ビクトリアは日本よりも湿度が低く、また若干緯度も高いため、気温は日本よりも低めであり、加えて日中気温格差も激しく、夜は少し厚着をして丁度よいほど寒くなります。ビクトリア自体はバンクーバー島の南部に位置する小さな街で、中心街とその郊外という、日本でも見たことあるような構成の街です。しかし街全体が豊かな自然に囲まれており、日本でいう雀や烏・野良猫のような感覚で、野生の兎や栗鼠・鹿などが生息しています。郊外の住宅部は程よく家々が離れていることもあり、圧迫感なども感じることなく勉学や趣味に勤しむことのできる環境でした。
さて今回参加したプログラムですが、現地大学周辺の地元住民のお宅にホームステイする形となっていました。参加者は、日本は勿論のこと、韓国やドイツ、ブラジル、サウジアラビアなど、日本に留まれば関わることが少ないだろう国籍の人とも机を並べる機会に恵まれました。もちろん相手には日本語が通じないため、コミュニケーション手段は英語が必然となります。このプログラムの目的、英語能力向上の為にも彼ら彼女らと積極的に話をしました。勿論、英語能力向上の為だけではなく、純粋に彼らとの会話はとても楽しかったのです。
続いて授業についてですが、留学先の授業と聞くと、恐らく自身の能力が第一の懸念事項になるでしょう。しかしこのプログラムでは初日に行われるテストにより、個々の力に見合ったクラス構成に配分されます。全体の参加者が80人ほどいる中、1クラス10人程度の編成がされ、クラスメイト全員が同様の英語力を持っているため、下手に劣等感や優越感を抱かずにいられます。授業自体は午前と午後の二部構成となっており、それぞれ異なる担当の元、講義が行われました。私のいたクラスは午前中に教科書を用いた文法や言い回しの授業、午後はカナダの歴史・文化を、聞き取りの練習を交えつつ学ぶというものでした。また、ただただ講義を聴講するだけではなく、それぞれの講師から出された課題に基づき、自ら英語でプレゼンテーションをするということもありました。もちろん、日本以外からも参加者がいるため、それぞれの訛りがありました。しかし互いが互いに良し悪しを指摘し、向上することで英語学習に対する意欲を高めることができたと私は考えています。
さて、ここまで勉学について語りましたが、ここからはそれ以外のことについてもお伝えします。放課後には市街地に赴いて観光したり、ホストファミリーと共に出掛けたりと、非常に有意義な時間が過ごせました。赴いた先々での出会いに、今まで味わったことのない食べ物、日本では体験できないことの数々に大きな刺激を受けました。冒頭でも少し触れましたが、カナダの人たちは非常に親切です。緊張でこちらの言葉が出てこずとも、出てくるまで待ってくれたり老若男女問わず、こちらに助け舟を出してくれたりします。それを機に少しずつ、現地の学生や近所の人たちと交流を重ねることができました。
来年以降、国際社会学部に入る人たちの中には、語学研修に行きたくないと考える人もいるかもしれません。または行きたいと考えるが、ひと月程滞在するとなると萎縮してしまう人もいるかもしれません。そんな人たちにこそ、この言葉を贈ります。決して後悔しません。英語能力の向上は、その人個人個人の意思によって左右されます。研修中に日本語ばかり話していれば、その一月にかけたお金も時間も焼け石に水の有様に終わります。しかしこの語学研修で短い期間であっても自ら進んで英語に触れ、体の芯まで浸ることができれば、皆さんにとって大きな糧となることを保証します。皆さんがこの先研修で何を感じるか、何を得るのか。それが喜ばしいことであることを私は願ってます。