vol.47 2020年1月
経営学科2年 川原 麟
私は9月1日から9月21日までの3週間、短期語学研修をするために西安に滞在しました。ほぼ毎日、午前は授業を受けて、午後からは西安の街や観光地を巡り、実際に中国語を使うという生活を送っていました。最初は中国語で中国語を学ぶという慣れない学習法に戸惑っていましたが、数日もすれば少しずつ慣れ始め、楽しんで授業を受けることができるようになっていきました。また、それと同じように言葉が通じずにもどかしく感じ、ストレスさえ感じていた街での買い物や、観光地の散策も、次第に相手が言わんとしていることがなんとなく分かるようになったり、授業で習った文法を使って会話ができるようになったりしたことで、楽しく、そして達成感を感じることができるようになっていきました。
このように、3週間中国語に浸って楽しく生活できたのですが、僕自身海外に行くということが初めてだったので、特に西安の街を見て回ることができたことがとても良い経験になったと感じています。兵馬俑の1体1体の精密な作りや数に圧倒されたり、大唐不夜城の煌びやかな夜景に感動したりしましたが、巡った場所の中で最も強く印象に残っているのは「回民街」です。回民街は先ほど挙げたような観光地に比べて、綺麗な何かがあるわけでも感動的な何かがあるわけではありません(個人的な意見です)。むしろ、狭い場所に人はごった返しているし、どこからともなく臭豆腐の鼻につく匂いはするし、はじめに行ったときは色んな意味ですごい場所だなと圧倒されてしまいました。ですがそれと同時に、こんなにカオスで面白い場所は他にないと思いました。通りの両側には所狭しと屋台が並んでいて、その間を数え切れないほどの人が通り、そんな中何食わぬ顔でバイクがクラクションを鳴らしながら通り抜けていく。そして、商店が軒を連ねている路地に入っていくと、兵馬俑の人形やお守りなどの中国の代表的なお土産が置いてある中に、日本でも超有名なブランドのロゴがTシャツやリュック、キャリーケースなどに印字されて売られていたり、日本で買おうとすると数十万円はするであろう財布を2つ持ってバンバン叩きながら店員がお客を招いたりしている。こんな場所を僕は日本で1度も見たことがありません。近年経済成長が著しく、GDP全世界第2位を誇る先進国のイメージが自分の中で強かった中国にもまだこんなディープで面白い場所はあるのかと、やはり中国という国はとてつもなく広いのだなと身をもって感じました。しかし、逆にこのような場所にも近代化の波は押し寄せているのだなと感じたことがありました。それは、どのお店にも、もっと言うと物乞いをしている人でさえもWeChatPayのQRコードを持っていたからです。このギャップにはとても驚きましたが、それだけ中国全土で必需品と化しているのだと感じました。
行けば行くほど色んな発見に驚かされる「回民街」、近いうちにまた訪れたいと思います。