vol.73 2018年12月
国際社会学科3年 荒木小雪
国際社会学科3年の荒木小雪です。今回は半年間のタイ、タマサート大学での留学を終えて思うことなどを書きたいと思います。
今回のタマサート大学での留学経験は、私にとって大きな自信になりました。初めは周りから、なぜタイに行くのかとよく聞かれました。それはきっとほとんどの学生がカナダやアメリカ、オーストラリアなどの発展した大きな国へ留学するからでしょう。中には私のこの選択を少し馬鹿にするような人もいました。けれども今の私は、この国を選んで本当に良かったと、あの時の選択は間違っていなかったんだと、胸を張って言えます。
タイに来て間もないうちは文化も言語も全く分からず、毎日を必死に過ごしていました。けれども、学校が始まりタイ人の友達が出来てからは本当に充実した日々を過ごせました。私がこんなにも充実感を得ることができたのは、タマサート大学の授業スタイルにあると思います。ほとんどの授業で学生は積極的な発言を求められます。私はすべての授業で最前の席に座っていたため、マイクを渡される回数も比較的多くありました。また、グループでのプロジェクトも多く、毎週のように話し合いやプレゼン、インタビューの予定がありました。試験でも、ただ知識を問う問題は少なく、その知識をどう使いこなすのか、自分ならどう考えるのかを問うものばかりでした。この主体的な活動は結果的に、自分自身のスキルアップと自信につながりました。普段の生活も、友人がいろいろな場所へ連れて行ってくれたため、楽しい時間を過ごせました。
また、私は以前から貧困地帯やスラムに興味を持っていたため、タイで様々な場所を訪れました。私の自宅から数キロ先に貧困層が多く住む場所があります。私は彼らの生活を知るために、十分に注意を払ったうえで、時間があるときはひとりで散策するようにしていました。その中で多くの家族と出会い、交流することができました。子どもたちと遊ぶことを通して、周りの大人も次第に心を開いてくれ、とても大きな経験になりました。
半年間で私が学び得たものは授業で習ったことはもちろん、この国の貧富の格差やインフラの遅れなど、まだまだ書ききれないほどです。留学前に想像していたタイは、あまり発展していないイメージでした。しかし、いざ訪れてみると想像をはるかに超える高層ビルの数や整備された電車や地下鉄に大変驚きました。けれどもそのビルの裏にはゴミが溜まり、カラフルな落書きが目を引く貧困地帯が点在していることにも気づきました。
留学と聞くと、どうしても言語習得や学術的なものにばかりに目を向けてしまいますが、より広い視野を持ちつつ生活することはとても重要だと身をもって感じました。もし私がこの国を選択していなかったら、このような学びを得ることはできなかったでしょう。半年間という短い間でしたが、今までの大学生活を超える充実感を得ることができました。この留学を支えてくれた全ての方に感謝し、今後のスキルアップに活かしたいです。
<プレゼン終了後、学部棟前にて>
<可愛い子どもと、貧困地区にて>