vol.45 2016年9月
国際交流学科2年 飯田 もも
タイでの生活が始まって既に三カ月目に突入しようとしています。今期の留学体験記第一弾ということで学校の様子やタイの生活習慣等を詳しく書くべきかと迷ったのですが、私にしか書けない、私のルームメイトとの生活を紹介します。私は今、台湾からの留学生と共に大学から徒歩15分程の寮に住んでいます。彼女の名前はYeh-Chun Lee(通称アリエル)といい、4つ年上です。とても明るい性格をしており、出会った当初から意気投合しました。授業の時間帯が重なっていることも多いので学校に行く時はほとんど一緒です。共通の留学生友達も多く、授業後や週末に遊びに行ったり、買い物したり、旅行に行く時も一緒です。
会話は勿論全て英語です。しかし普段私は日本語を、彼女は台湾語を話しているため、お互いに完璧な英語を話すことはできません。どのように会話しているかというと、二人で探り合ってコミュニケーションを取っています。知っている言葉を並べ、伝えたいことを何とか伝えようと努力します。受け止める側は言っていることを最後まで聞き、別の表現方法をひらめくまで待ち、相手が言おうとしていることを掴もうとします。時折、漢字も使います。日本語と台湾語で共通する漢字は多く、意味は伝わります。初めは伝えられないことや聞き取れないことに焦っていたのですが、時間が経つにつれ、また彼女の優しさもあり、じっくりときちんと会話のキャッチボールができるようになりました。日本と台湾の文化、政治についても話してその違いや共通点を発見するのが楽しいのです。しかし最近では「じゃあ、その習慣はタイではどうなのかな?」「これってアジアだけなのかな?今度ヨーロッパやアメリカからの留学生にも聞いてみよう!」などと更に関心を広げることもできています。政治に関しては、高校時代に留学した際に自国のことをよく知っておくことの必要性を感じていたので、その経験と大学での講義内容を生かすことで会話を弾ませることができています。
タイは私達二人にとって異国の地です。毎日新しい発見の連続です。辛すぎたり甘すぎたりする食べ物、逆走やヘルメットなしでのバイク運転など日本や台湾では完全に違法の交通状況、東南アジアならではのスコール…。具体例を挙げるなら食事が最適でしょうか。私達二人はキャンパス内の食堂や、毎週月曜日と木曜日にキャンパス内で開かれるNight Market、屋台やレストラン、コンビニなど、あらゆる場所であらゆる物を食べてみるようにしているので、毎日新しい味に出会います。タイ独特の辛さ、食べきれない程の甘さ、ゴムのように固いライス…。二人で異なるものを注文して少しずつ分け合うので、一人で食べるよりも倍の試食ができるわけです。食べながら感想を言い合う際に面白いのが、お互いに日本食や台湾食の紹介もできることです。初めて食べたものをそれぞれの知っている味に例えるからです。そして更に、彼女が例える食べ物の中には、私達日本人がよく知っているものもあれば、初めて聞くものもあり、何が共通していて何が異なるかの発見もできます。某大手バーガーショップやコンビニに関しては、世界規模のチェーン店であるため、タイ、日本、台湾の三ヵ国間の違い(店内の様子や販売のシステム、価格など)を発見しやすく、それもまた楽しいです。
アリエルとはこの二カ月間だけで既に色々なところへ出かけました。バンコク市内の寺院や宮殿、国内最大規模のマーケット。他の留学生グループに参加して国立公園にキャンプをしに行ったり、小島に行って南国ビーチを満喫したりしました。自分一人だけでは馴染めなかったかもしれない留学生グループにも彼女のおかげで参加できており、南米から北米、欧州各地、そしてアジア各地出身の友達もたくさんできました。その結果この二カ月間、週末ごとに予定が入っていて本当に充実した時間を過ごすことができています。これから中間テストが始まりますが、その後の旅行の計画が今からとても楽しみです。
留学では、何よりも「出会い」が醍醐味だと思っています。新しい文化との出会い、新しい空気との出会い、そして新しい人々との出会い。私は今回ここで彼女に出会ったことに本当に感謝しています。残り三カ月、この出会いがより貴重なものになるように過ごしたいです。勉強や語学力向上だけではなく、出会いを求めた留学も良いものだと思いますよ。
Wat Pho (バンコク最古の寺院)にて
Koh Phanganのビーチにて