平成30年度 学生起業家インタビュー(情報セキュリティ学科)
本学、情報セキュリティ学科3年鈴木海斗さんが、佐世保市内において、幼稚園児を対象としたプログラミング教室を開催しました。鈴木さんは、現在、大学3年生ながら、プログラミング講座を提供する合同会社を設立し代表を務め、活躍の場を拡げています。
在学中に起業しようと考えたきっかけについて、
「私が中学生の頃は、スティーブ・ジョブズ、高校生の頃には、イーロン・マスクが世間ではクローズアップされていました。2人に関する報道や本などを通して彼らの生き様を知り、自分の信念のもと社会のために活動している姿に憧れを抱きました。それ以来、自分もチャンスがあれば起業し、社会に還元したいと考えるようになりました。また、現在所属しているゼミの担当教員である松田健准教授のもと様々な活動をさせていただくチャンスをいただき、多種多様な分野の方との出会い、ご縁に恵まれて起業することが出来ました。」と話す鈴木さん。
今回、その思いや今後の目標についてインタビューを行いました。
-幼稚園児を対象としたプログラミング教室について教えて下さい。-
園児の皆さんにタブレットを使って「お絵かき」をしてもらい、そこから、その延長線上にあると言える「ビジュアルプログラミング」の使い方を教えています。描いた絵に一工夫加えることでそれを動かしたり、何かのきっかけを与えて場面を変化させたりすることが出来ることを理解させ、将来のプログラミングに備えた教育コンテンツを開発、提供しています。
また、提供しているコンテンツは、プログラミング教育でよく言われている「論理的思考力」よりも「発想力」を重視するようにしています。園児達は普段自由に絵を描いたりしていますが、プログラミングという要素を取り入れると、普段遊んでいることにプラスアルファの工夫を加えることが出来るようになります。今まで、大分県や佐世保市の保育園で講座を開催しました。
-「プログラミングは難しい」という先入観を子供たちから払拭するために、心掛けていることはありますか?-
一番は「楽しい」と思わせることで「すごい!自分もやってみたい!」と必ず言ってもらえるようにコンテンツを作り、講座前には、綿密なリハーサルを重ねています。
コンテンツの中には少し難しい部分もありますが、今の自分たちに出来ることを自然に見つけられるような工夫を取り入れ、その場その場のリアクションをみながら最適なマイルストーンを適宜設定し、子ども達が考えながらも楽しいと思ってもらえるような時間を作るように心掛けています。
このような講座は参考にできるような前例を手軽に情報収集することが難しく、毎回とても苦労していることもありますが、講座が終わった後、子ども達から“楽しかった!”、“今度いつくるの?”、“また来てね”などの言葉をかけてもらえることが多く、とても嬉しく感じています。
-高校生の時思い描いていた大学生のイメージと、今の自分に違いはありますか?-
高校時代に思い描いていた大学のイメージは、ドラマでよく見る、先生が遠くに見える程大きな階段教室で講義を受けるといったイメージでしたが、大学生になり、実際に授業を受けてみると、県立大学では先生を身近に感じることが出来る雰囲気や距離感で講義を受けられるというギャップを感じました。
私自身、高校生の時に、大学生で起業できたらいいなという思いはありましたが、まさか現実になるとは思いませんでした。まだスタートラインに立ったばかりですが、夢が一つ叶い想像以上のことが出来ています。ただ、当時はおおまかにITでなにか起業したいと考えており、プログラミング講座の先生をする未来など微塵も思い描いていなかったので、今の私は全く違うことを実現しようとしています。
< 授業の様子 >
-大学1、2年の間で、これはしていて良かった!と思う事はありますか?-
単位を1、2年生のうちにたくさん取っておいた事が良かったと思います。3年、4年になるにつれ、自由に使える時間が増え、世の中の流れや流行などを情報収拾することなども、結果的に自分の興味がある分野について詳しく調べる時間を持つ事が出来、選択肢が増えることに繋がったと思います。
週一回のゼミの授業時間以外でも研究室での活動の機会を作り出すことが出来、とても有意義な時間を過ごしています。
-長崎県立大学を目指す受験生に向けて、県立大学情報セキュリティ学科の魅力を教えてください。-
本学情報セキュリティ学科は、専門的な知識や実務経験豊富な個性的な先生方と演習設備に恵まれていることが魅力だと感じます。
私が高校生の時は“セキュリティ”というと難しく感じ、お堅いイメージがありましたが、ここでは、難しい部分やわからないことなどは先生方に相談に乗っていただくことも出来、今では専門科目の演習を楽しむことが出来ています。
周りには、技術的なプログラミングのような分野や法律・マネジメントに関する分野など様々な方向性にそれぞれ自分の興味を見出す学生が多く、同じ情報セキュリティ学科の中でもそれぞれの興味が分かれていくところがこの学科の面白さだと感じます。
一見すると“プログラミング講座”というセキュリティには関係ないと思えることをしていますが、これに限らず一見セキュリティには関係ないことでも情報セキュリティ学科で学んでいるからこそ社会問題と照らし合わせたりして行動できる部分もあるのではないかと思います。
< セキュリティ演習室 >
-今後の目標を教えてください。-
今の世の中で“これをすれば100%大丈夫”という魔法のような得策はないような気がします。抽象的ではありますが、その場その場でBestだと思われる選択をしてITを駆使して人を幸せに、そして社会に貢献し続けることです。
また、過去にお世話になったたくさんの方々が,私が様々な活動をしている姿を見て喜んでいただけるようになれば嬉しいと考えております。
試行錯誤しながらも、達成感と充実感に満ちた学生生活を送られている鈴木さん。これからの活動にも意欲を見せていました。今後の更なる活躍を期待しています。